世界音楽人 file3. 宮永理央(ワールドシップオーケストラ運営スタッフ/ヴァイオリン奏者)


Q. 実際に参加してみて、自分たちの演奏が子ども達に与えたインパクトは感じましたか?
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私は、勿論日本の私たちから見ると犯罪とか貧困とか問題が沢山あるように見えますが、フィリピンの子ども達はそれが当たり前の世界で生きていて、今の環境に絶望しているわけではないと思うんです。

ただ、これからの将来、少し広い世界に出会った時に、音楽を聴いたことがあったから、オーケストラが楽しいと知っていたから、何か次のチャンスに繋がる可能性があると思います。「知らない」ことは何にも繋がらないけど、どんな小さなことでも「知って」いれば将来のチャンスに意味を持つと思うので。

そして、私自身ユースオーケストラで長く演奏してきたんですが、演奏を聴いたその時の感動やインパクトの先に、その後に繋がる継続的な教育の道を作ってあげることが大事だと実感しました。

Q. 逆に、宮永さんや他の参加メンバーが得たものは?

この活動では、「子ども達にとっての初めての体験を作る」のと同時に、「自分たちにとって初めての体験をする」ことも出来ます。

日本でクラシックを仕事にするという人は、ある程度クラシックの世界を知った上で足を踏み入れるわけですが、フィリピンで演奏するとき、そこは私たちの知っている「クラシックの世界」が出来上がっていないところです。たとえば交響曲の演奏をするとき、日本では終楽章の最後の音が鳴り終わると拍手が起きますが、フィリピンではお客さんが良いと感じた瞬間が拍手のポイントだったり。

予想できない環境での演奏体験には、気付きがあります。日本のクラシックをやる人たち全体の雰囲気で求められてる「巧さ」だけが大切なわけではなくて。勿論演奏レベルが高いに越したことはないけど、演奏以外の部分で興味を持たせたり、聴き手が期待している音楽をするための工夫を設ける過程も、大切だと思うようになりました。

Q. 今はスタッフとして、奏者としてワールドシップの一員。これからワールドシップの仲間になる人に向けて、何かメッセージがあれば!

私にとって、ヴァイオリンを弾く以外の人生は考えられません。
旅行もすごく好きで、いくつになっても、色んな新しいところに行き続けたい。
その2つが重なったのが今の行き方であって、人の役に立つ形で続けていけるのがこれだと思っています。

私がヴァイオリンを通して学んだ大切なことの一つは、「続けること」です。
「自分が人生を通して続けてきたことを人に教える」っていうのはそのまま、「自分の生き方を人に伝える」ことだと思うんです。練習はきつかったし、たくさん怒られました。でもストイックに何かを続けることの大切さ、そしてそのメンタリティーの有り難みを教えてくれた両親、先生、競い合った友人たちに感謝しています。

みなさんもこれまで続けてきたことにぜひ誇りを持ってほしいです。その「続けてきたこと」がどんな場所で、どう誰の役にたつか、そのパターンは本当に無限大です。
楽器を持って、今まで行ったことがないようなところに行ってみることが、人生の大きな一歩になると思います!

 

あなたもワールドシップオーケストラに参加しよう!

2015年の2月と3月、フィリピンとカンボジアそれぞれ9泊10日のツアーの中で、現地のオーケストラの共演ステージを創りあげ、数千人の子ども達にとっての「はじめてのコンサート」体験を届けます。

海外がはじめて?ブランクがある?心配要りません!日本中から集う仲間たちと、人生を変え、世界を響かせる旅をしよう!

少しでも心がワクワクしたあなたは、今すぐWSOのホームページをチェック!

http://world-ship.org/orchestra/